Oct 19, 2005

準決勝の審査について

** 筆記試験

 今回の筆記試験には,かなり難しい問題が出るのだろうと,予想はしていたのですが,やはりかなり細かい部分をついてくる問題が多く,前回の2002年のときの問題に比べると,格段の難しさのアップが感じられました。(問題の内容についてはソムリエ協会の会報誌に載せる予定があるそうです。)

 日本の交配品種、ミネラルウォーター,シングルモルト,コーヒー,紅茶と色々と山をかけていたのですが,残念ながらあまり出ませんでした。87問の筆記式の、しかも半分は,問題も原語での出題という内容を,何とか終えて(書けなかった部分もかなりありました)ほっとする間もなく、ここから2班に分かれて,テイスティングと実技の問題へと進みます。

*** テイスティング

 テイスティングに関してはフランス語かもしくは英語でのコメントで2アイテムについてトータルで6分。品種の特定はもちろんの事,分析的なコメントが要求されます。

 白ワインについては,軽い残糖分が感じられ、外観もかなりの黄色みがあり,なかなかにわかりにくい感じでした。私的にはかなり熟した黄色いリンゴの香りが支配的なことと,遅摘みに見られる酸を残したレベルでの甘味がポイントかと判断し,リースリング,遅摘みのニュアンス,確か2001年かなんかと答えたと思います。正解は,アルザスのピノ・グリとの事。

 赤ワインに関しては,あまり重くない酒質で樽も少し,熟成感も少しで後味にかなりの酸が感じられる構成でした。
涼しい気候で,木樽のニュアンス,細かいが後味に残るタンニンということで,ロワールのカベルネ・フラン。ソミュール・シャンピニーと答えてしまいましたが,実際にはニュージー・ランドのピノノワールとの事。

 後になって考えると,いつも飲んでるじゃん!!と反省しきりなのですが,やはり3分間でアイテムを決定し,コメントも埋めていかなければならないので,なかなかに難しいものです。

*** 実技の審査

 「さて最後の実技!」と気持ちを集中させて,午前中最後の審査に向かいます。受験番号を呼ばれて入っていくと4人のゲストが座っていて,そこから説明が始まります。「ビジネスランチです。シャンパーニュですぐに始めたい,ゲストはこちらの2人です。時間は6分です。」

 ということで,早速の審査が始まります。なんと言っても早く始めたいとの事なので、とにかく素早く,しかしエレガントに!正確にサービスを行う事!と色々とクリアーしなければならないサービスの順番などに気をつけながら進めていきます。

 毎日自分の店で忙しくしているお陰で(暇なときもありますけど、、、),サービスのスピードはかなり点を取れたのではないかと思います。ここで怖いのは丁寧にと思うあまり,遅くなりサービスしきれないで,点が取れないというところなので,そこには注意して注ぎました。

 シャンパーニュを注ぎ終わると,「白ワインもサービスしてください。」と告げられ,(おー,そう来るのか,などと思いながら)そこでまたグラスをつけ,てきぱきと動くようにします。

 ホストへの銘柄の確認を取りつつ,ゲストの方に銘柄を見せたりと,なるべく減点されないようにというと聞こえは悪いのですが,早くしなければ!と思うあまりに動きが雑にならないように気をつけました。

 注ぎ終わると同時に「このワインはブッショネではないのですか?」との質問がされます,味見をした上で注いでいるので,「そういった要素は見られないし,樽熟成の要素がそう感じさせてしまうのでは」と説明をまず加えたうえで,「もしあまり好ましくないようでしたら,お取替えする事も可能です」と告げました。「そういうことでは,このままでいいです,このワインにあった料理を勧めて下さい。」とさらに設問は続き,それに答えようとしたところで,時間ですと告げられました。

 全体としては,そんなに大きなミスは無かったかな、という手ごたえでしたが,やはり少し急ぐあまり雑になってしまったところもあったりで、「まあ,何とか決勝に残してもらって午後も審査をやらせて欲しいなー」と思いつつサンドイッチのお昼ご飯です。

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